いつまでも若い人の習慣5選|同じ80歳でも差がつく理由

同窓会に行くと、不思議なことが起こります。同じ年に生まれて、同じ年数を生きてきたはずなのに、びっくりするほど若い人がいる。逆に、実年齢よりずっと老けて見える人もいる。

訪問リハビリの現場でも同じです。カルテを見て「えっ、この方が85歳?」と驚くことが、本当によくあります。

この記事では、そういう方たちに共通していた5つの習慣をお話しします。前回の「一生歩ける人の特徴5選」とは、あえて1つも重ならない内容にしました。歩数・筋トレ・食事の話は出てきません。今日のテーマは、老けるスピードそのものです。

https://youtu.be/-9XXmVb0fyY

若さは、生まれつきではない

もちろん体質の差はあります。でも研究で分かってきているのは、老けるスピードには、はっきりとした個人差があるということ。そしてその差をつくっているのは、遺伝よりも毎日の習慣のほうが大きい、ということです。

同じ80歳でも、体の状態を比べると20年分くらいの差がついていることがあります。70歳に見える85歳もいれば、その逆もある。そしてここが希望のあるところですが、この差は今日からでも縮められます

習慣① 姿勢が若い

見た目年齢を決めているのは、顔ではない

人が「若いな」「歳をとったな」と判断しているのは、じつは顔ではありません。姿勢です。背中が丸まって頭が前に出ていると、遠くから見ても年配の方だと分かってしまいます。逆に背筋が伸びていれば、後ろ姿では年齢が分かりません。

しかも見た目だけの問題ではありません。背中が丸まると胸が圧迫されて呼吸が浅くなり、内臓も圧迫されます。見た目と中身、両方を老けさせるのです。

チェックは「壁立ち」

壁に、かかと・お尻・背中をつけて立ってみてください。このとき後頭部が自然に壁につくかどうか。つかない、あるいは無理に力を入れないとつかない方は、背中が丸くなり始めています。

もうひとつの目安が身長です。若い頃より4cm以上縮んでいたら、背骨の変化——場合によっては気づかないうちの骨折が起きている可能性があります。

直すのは腰ではなく「胸」

姿勢を直そうとすると、多くの方が腰を反らせてしまいます。でもそれは腰を痛めるだけ。丸まっているのはです。椅子に座って、両手を頭の後ろで組んで、息を吸いながら胸を開いていく。これだけで変わります。

あと、意外な犯人がスマホです。うつむいて見る時間が長いほど背中は丸くなります。画面は目の高さまで上げる。これだけ意識してください。

習慣② 血管が若い

「人は血管とともに老いる」——100年以上前に、ウィリアム・オスラーという医師が言った言葉です。今もそのとおりだと言われています。

血管は全身に酸素と栄養を届けています。ここが硬く、細くなると、筋肉にも脳にも肌にも、届くものが減っていく。全身が同時に老けていくわけです。

その状態を示すいちばん身近な数字が血圧です。目安は75歳未満で130/80未満。75歳以上の方は140/90未満が目安とされています。

今日からできる3つ

  • 減塩は「かけない・つけない」… 醤油やソースを上からかけるのをやめて、小皿に出してつける。汁物を残すのも効果的です
  • ふくらはぎを動かす… 「第二の心臓」。座ったままつま先を上げ下げするだけで、血液が心臓に戻りやすくなります
  • 湯船につかる… 40度くらいのお湯に10分。血管が広がって血流がよくなります

※のぼせやすい方、血圧のお薬を飲んでいる方は、入浴の温度と時間について主治医にご確認ください。

習慣③ よく笑い、よく話す

顔には約30種類の表情筋があります。筋肉である以上、使わなければ衰えます。腕や脚とまったく同じです。

ひとり暮らしで一日誰とも話さない日が続くと、この30種類が動かないまま固まっていきます。口角が下がり、頬がたるみ、表情が乏しくなる。「老けた」と言われる顔の変化は、多くがここから来ています。

しかも口のまわりの筋肉が衰えると、噛む力・飲み込む力まで落ちます。滑舌も悪くなり、人と話すのがおっくうになって、さらに使わなくなる——この悪循環に入ってしまいます。

  • 口角を上げる… 鏡の前で「いー」の形を10秒。朝の歯みがきのついでに
  • 声に出して話す… 相手がいなければ音読でも構いません。黙って過ごさないことが大事です
  • 早口言葉… 「なまむぎ なまごめ なまたまご」を3回

そして何より、よく笑うこと。笑うと表情筋が一度に動きます。これが一番手軽で、一番効きます。

習慣④ 新しいことを始めている

毎日同じ道を歩き、同じ番組を見て、同じ人と同じ話をする。安心できる生活ですが、脳にとっては刺激がありません。脳が働くのは初めてのことに出会ったときだからです。

そして知っておいていただきたい数字があります。国際的な専門家会議の報告では、認知症のリスクのうち約40%は生活習慣で減らせる可能性があるとされています。裏を返せば、打てる手がそれだけあるということです。

  • 初めての道を歩いてみる… 散歩のコースを変えるだけ。道を覚えようとするので脳が働きます
  • 手順のあることを覚える… 新しいレシピ、スマホの新しい機能。「順番を覚える」作業が効きます
  • 人に教える側にまわる… 理解して、順序立てて説明する。脳をフルに使います

習慣⑤ 役割と出番がある

日本で行われた大規模な追跡調査で、「生きがいがない」と答えた方の死亡リスクは、ある方の約1.5倍だったと報告されています。気の持ちようの話ではなく、実際に体に効いているのです。

役割がある人には、起きる理由があります。出かける理由があり、身なりを整える理由があり、人と話す理由がある。①〜④が全部ついてくるのです。

  • 頼まれごとを引き受ける… 「私なんかが」と断らないでください。頼まれるのは、必要とされている証拠です
  • 小さな係を持っておく… 町内の役、サークルの会計、孫の送り迎え。なんでも構いません
  • 続けている予定をやめない… 体調を崩したあと、そのままやめてしまう方が多い。戻れるうちに戻る

セルフチェック:いくつ当てはまりますか

  • 壁に立ったとき、後頭部が自然につく
  • 血圧の数字を把握していて、目標の範囲に入っている
  • 毎日、声に出して話す機会がある
  • この1か月に、何か新しいことをした
  • 誰かに頼まれる役割や、続けている予定がある

全部そろっている必要はありません。当てはまらなかった項目こそ、いちばん伸びしろのある場所です。

今日から始める3つのこと

  • 壁立ち30秒… 朝と夜、壁に背中をつけて立つ
  • つま先上げ20回… 座ったままでOK。ふくらはぎを動かして血管を助けます
  • 新しいこと1つ… 今週の予定に、やったことのないことを1つ入れる

痛みや持病のある方、めまいのある方、血圧のお薬を飲んでいる方は、必ず医師にご相談のうえ行ってください。

まとめ

いつまでも若い人の習慣は、①姿勢が若い ②血管が若い ③よく笑い、よく話す ④新しいことを始めている ⑤役割と出番がある——この5つでした。運動や食事の話は一度も出てきませんでしたが、どれも今日から手をつけられるものばかりです。

最後にひとつ。現場で見てきて、若い方に例外なく共通していたのは——年齢を言い訳にしないということでした。「もう若くないから」と言った方はそこで止まり、「まだ変えられる」と思った方は実際に変わっていきました。

老ける速さは、自分で決められます。

歩く力のほうが気になる方は一生歩ける人の特徴5選を、いま危ないサインを確かめたい方は将来歩けなくなる人の特徴5選をどうぞ。体を動かしてみたい方には自宅でできる介護予防ドリル5選もあります。

参考資料

  • 日本骨粗鬆症学会(身長低下と椎体骨折)
  • 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」(降圧目標)
  • Livingston G, et al. Dementia prevention, intervention, and care: 2020 report of the Lancet Commission. Lancet. 2020
  • Sone T, et al. 大崎国保コホート研究(生きがいと死亡リスク)2008

※この記事は健康に関する一般的な情報提供を目的としたもので、特定の疾患の診断・治療に代わるものではありません。運動は無理のない範囲で、必ず支えのある場所で行ってください。痛み・めまい・持病のある方、お薬を飲んでいる方は、事前に主治医へご相談ください。

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