一生歩ける人の特徴5選|80代でも自分の足で歩く人の共通点

前回の記事「将来歩けなくなる人の特徴5選」には、たくさんの反響をいただきました。そのなかで多かったのが、「では、うまくいっている人は何をしているのですか」という声です。

訪問リハビリの現場では、80代・90代になっても自分の足でしっかり歩き、買い物にも旅行にも出かけている方に出会います。そういう方たちには、はっきりとした共通点がありました。しかもそれは、才能でも遺伝でもなく、誰でも今日から真似できるものばかりです。

https://youtu.be/tK3Pc9REmmE

まず知ってほしいこと:筋肉は90代でも増える

本題に入る前に、ひとつだけ。

高齢者に筋力トレーニングを行った研究では、90代でも筋肉の断面積が増え、歩く速さが改善したことが報告されています。「もう年だから」とあきらめる必要は、まったくありません。

つまり、遅すぎることはないのです。今日から始めた人が、5年後にいちばん歩けている。それだけの話です。

一生歩ける人の5つの特徴

① 毎日、こまめに歩いている

まず歩数です。「1日1万歩」とよく言われますが、必ずしも必要ありません

大規模な研究をまとめた報告では、60歳以上は1日6,000〜8,000歩あたりで死亡リスクの低下が頭打ちになることが示されています。それ以上増やしても、リスクはあまり変わりません。「1万歩なんて無理」とあきらめていた方には、ゴールがぐっと近づく話ではないでしょうか。

もうひとつ大切なのが、歩き方の分け方です。一生歩けている方に多いのは、週末にまとめて歩くのではなく、1日のなかに歩きが散らばっているパターン。買い物、ゴミ出し、遠回りして帰る、ひとつ手前のバス停で降りる——運動として構えず、生活に埋め込んでいるから続くのです。

② 週2回、筋肉に刺激を入れている

歩くことは素晴らしい運動ですが、正直に言うと歩くだけでは筋肉は維持できても、増えはしません。負荷が軽いからです。

WHO(世界保健機関)のガイドラインでは、高齢者に対して週150分の有酸素運動に加え、週2日以上の筋力トレーニングとバランス運動を勧めています。毎日でなくていいのです。

狙うのは、体を支える大きい筋肉——太もも、お尻、ふくらはぎ。やることはスクワットとかかと上げで十分です。スクワットは椅子の前に立ち、4秒かけて腰を下ろし、4秒かけて立ち上がる。10回×2セット。速く数をこなすより、ゆっくり行うほうが安全で効果的です。

③ よく噛んで、しっかり食べている

見落とされがちですが、口は歩く力の入り口です。

歯の数が少ない方、合わない入れ歯を使っている方ほど転倒しやすいと報告されています。さらに、噛めないと食べるものが偏り、柔らかいものばかりになる。すると——

噛めない → 食べられない → 筋肉の材料が入らない → 歩けなくなる。この流れができてしまいます。

栄養の目安は、1日で体重1kgあたり1.2〜1.5gのたんぱく質。体重50kgの方なら60〜75gです。まとめ食いでは使いきれないので、1食20g前後を3食に分けるのがポイント。いちばん抜けやすいのは朝食です。卵1個、納豆1パック、ヨーグルト——調理のいらないものを1品足すだけで変わります。

④ 人とよく会っている

リハビリの専門家として、いちばん強調したい特徴がこれです。

日本の大規模調査では、外出が週1回未満の方は「閉じこもり」とされ、要介護状態になりやすいことが示されています。どれだけ家で運動していても、外に出ない生活が続くと歩く力は守りきれません。

理由はシンプルで、人と会う予定が、歩く理由になるからです。「運動のために歩きましょう」は続きませんが、「友人とお茶をする」「孫の顔を見に行く」は続きます。よく歩けている方に共通していたのは、運動の予定ではなく人と会う予定で予定表が埋まっていることでした。

しかも人と会えば話します。話すことは噛む力・飲み込む力の維持につながり、認知機能の面でも守りになります。

⑤ よく眠れている

運動して刺激が入り、食事で材料が入る。でも実際に筋肉が作られるのは、休んでいるあいだです。

目安は6〜7時間。注意したいのは、短すぎても長すぎてもリスクが上がること。どちらもフレイル(虚弱)の割合が高いと報告されています。

眠れるようにするコツは、じつは夜ではなく朝と昼にあります。朝起きたらカーテンを開けて光を浴びる。日中に体を動かす。この2つで体内時計が整い、夜に自然と眠気が来ます。朝の光を浴びてから14〜16時間後に眠気を起こすホルモンが出る仕組みだからです。

なお、ひざや腰の痛みで夜中に目が覚める方は、まず痛みの相談をしてください。痛みと不眠は互いを悪化させます。

セルフチェック:いくつ当てはまりますか

  • 1日6,000歩くらいは歩いている
  • 週2回以上、筋トレやスクワットをしている
  • 毎食、肉・魚・卵・大豆などのたんぱく質をとっている
  • 週1回以上、外出して人と会っている
  • 6〜7時間ぐっすり眠れている

全部そろっている必要はまったくありません。当てはまらなかった項目こそ、いちばん伸びしろのある場所です。

今日から始める3つの習慣

5つ全部を一度に始めようとすると、たいてい挫折します。まずはこの3つに絞ってみてください。

  • +1,000歩… 今より10分多く歩く。ひとつ手前で降りる、遠回りして帰る。それだけで週70分の運動になります
  • 週2回のスクワット… 椅子の前で10回×2セット。4秒下ろして4秒で立つ
  • 会う予定を1つ書く… カレンダーに人と会う日を書き込む。外出の理由をつくるのが目的です

痛みや持病のある方、めまいのある方は、必ず医師にご相談のうえ行ってください。

まとめ

一生歩ける人の特徴は、①毎日こまめに歩く ②週2回の筋トレ ③よく噛んで食べる ④人とよく会う ⑤よく眠る——この5つでした。

もう一度お伝えします。すごいことは、ひとつもありません。そして全部そろえなくていい。今できていない項目のうちひとつだけ増やせたら、それが5年後の差になります

実際に体を動かしてみたい方は、自宅でできる介護予防ドリル5選で症状別の実践動画をまとめています。歩く速さが気になる方は衰えない足のつくり方もあわせてどうぞ。

※この記事は健康に関する一般的な情報提供を目的としたもので、特定の疾患の診断・治療に代わるものではありません。運動は無理のない範囲で、必ず支えのある場所で行ってください。痛み・持病のある方は、事前に主治医へご相談ください。

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