秋冬になると気分が沈む高齢者へ|冬季うつを防ぐ「朝の光」と5つの習慣

窓辺で朝の光を浴びながらお茶を飲む高齢女性 心の健康

「秋になると、なんとなく気分が重い」
「冬は朝起きられず、出かけるのもおっくう」

毎年この時期に、こんな変化を感じていませんか。
それは日の光が足りないことが関係しているかもしれません。

この記事では、秋冬の気分の落ち込み(冬季うつ)の特徴と、
朝の光を味方にする5つの習慣を紹介します。

結論:秋冬の落ち込みは「朝の光・外歩き・リズム」で予防する

  • 起きたらカーテンを開け、朝の光を浴びる
  • 午前中に15〜30分、外を歩く
  • 落ち込みが2週間以上つづくときは、主治医に相談する

秋冬に気分が沈む「冬季うつ」とは

決まった季節だけ、うつの状態になるものを
季節性感情障害といいます。
多くは秋から冬に始まり、春になると自然に軽くなります。

ふつうのうつとちがう3つの特徴

冬季うつには、次のような特徴があるといわれています。

  • 眠りすぎる(朝起きられない・昼もねむい)
  • 食べすぎる(ごはんや甘いものが欲しくなる)
  • 体重がふえる

「冬だから仕方ない」と見すごされやすいのが、やっかいな点です。

原因は「日の光が足りないこと」と考えられている

冬は日が短く、光を浴びる時間がへります。
すると体内時計が乱れ、気分や眠りのリズムがくずれると考えられています。

高齢になると、寒さで外に出る回数もへりがちです。
光不足と運動不足が重なりやすいので、とくに注意が必要です。

部屋の明かりだけでは足りない理由

明るさは「ルクス」という単位であらわします。
おおよその目安は、次のとおりです。

場所明るさの目安
ふつうの部屋の照明300〜500ルクス
くもりの日の屋外約1万ルクス
晴れた日の屋外数万〜10万ルクス

病院で行う光の治療では、
2,500ルクスを2時間、または1万ルクスを30分あてる方法が使われます。

つまり、部屋の明かりでは足りません。
くもりの日でも、外に出るほうがずっと明るいのです。

朝の光を味方にする5つの習慣

習慣1:起きたらすぐカーテンを開け、窓ぎわで朝ごはん

朝の光は、体内時計を整える一番のスイッチです。
起きて1時間以内に光を浴びるのを目安にしましょう。

窓ぎわの席で朝ごはんを食べるだけでも、浴びる光がふえます。
朝の流れは「一生歩くためのモーニングルーティン」も参考にしてください。

習慣2:午前中に15〜30分、外を歩く

光と運動を一度にとれるのが、朝の散歩です。
くもりの日でもかまいません。午前中の15〜30分を目安にしましょう。

歩いた記録が目に見えると、続ける力になります。
たとえば「タニタ 3Dセンサー搭載歩数計 億歩計」は、ポケットに入れるだけで歩数をはかれます。
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習慣3:起きる時間を毎日そろえる

休みの日も、起きる時間のずれは1時間以内にしましょう。
起きる時間がそろうと、夜も自然にねむくなります。

冬の朝は外がまだ暗く、起きるのがつらいものです。
だんだん明るくなる「光目覚まし時計」を使うのも一つの方法です。
たとえば「Dreamegg 光目覚まし時計」は、日の出のように少しずつ明るくなります。
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※光目覚まし時計は医療機器ではありません。
治療の代わりではなく、朝のリズムづくりの手助けと考えましょう。

習慣4:昼寝は午後3時までに30分以内

冬は昼間もねむくなりがちです。
長い昼寝は夜の眠りを浅くし、リズムをくずします。

昼寝は午後の早い時間に30分以内が目安です。
くわしくは「高齢者の昼寝は30分まで」で紹介しています。

習慣5:人と話す予定を週2回入れる

寒い時期は、家にこもりがちになります。
買い物、通いの場、電話など、人と話す予定を週2回入れましょう。

「出かける用事」があると、自然に光も浴びられます。

こんなときは早めに相談を

高齢者のうつは、気分の落ち込みよりも
体の不調やもの忘れとして出やすいといわれています。

次のことが2週間以上つづいたら、主治医に相談しましょう

  • 何をしても楽しくない、やる気が出ない
  • 食欲や体重が大きく変わった
  • 眠れない、または眠りすぎる
  • だるさ・痛みなど、体の不調がつづく
  • もの忘れがふえた気がする

季節に関係なく使えるセルフチェックは、
「高齢者のうつ予防|5つの習慣とセルフチェック」にまとめています。

「消えてしまいたい」と感じるときは、がまんせず、すぐに家族や医療機関に相談してください。

よくある質問

Q1. くもりや雨の日も、外に出たほうがいいですか?

はい。くもりの日の屋外でも、部屋の中より何倍も明るいです。
雨の日は無理をせず、窓ぎわで過ごす時間を長めにとりましょう。

Q2. 光目覚まし時計で冬季うつは治りますか?

治療の効果はたしかめられていません。
光の治療で予防できるかについても、研究はまだ十分ではありません。
朝のリズムづくりの道具として使い、つらいときは受診しましょう。

Q3. 日光浴は何分くらいがよいですか?

朝の散歩なら15〜30分が始めやすい目安です。
太陽を直接見るのはやめましょう。目を傷めるおそれがあります。

Q4. 目の病気があっても、朝の光を浴びて大丈夫ですか?

ふだんの散歩ていどなら、多くの場合は問題ありません。
ただし、目の病気がある方や、強い光の機器を使いたい方は、
先に主治医や眼科に相談してください。

まとめ:秋冬こそ「朝の光」を意識しよう

  • 秋冬の落ち込みは、日の光の不足が関係していると考えられている
  • 部屋の明かりでは足りない。くもりでも外のほうが明るい
  • カーテンを開ける・朝歩く・起きる時間をそろえる
  • 昼寝は30分以内、人と話す予定は週2回
  • 2週間以上つづくなら、早めに主治医へ

まずは明日の朝、カーテンを開けることから始めてみましょう。

参考文献

  • 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
  • 厚生労働省 こころの耳「季節性うつ病」用語解説
  • 日本うつ病学会「高齢者のうつ病治療ガイドライン」
  • Nussbaumer-Streit B, et al. Light therapy for preventing seasonal affective disorder. Cochrane Database Syst Rev. 2019;CD011269.
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