「最近、ごはんを残すことが増えた」
「好きだったおかずにも、手がのびない」
年をとると、食欲が落ちるのはよくあることです。
でも、そのままにすると体重と筋肉が少しずつ減っていきます。
この記事では、食べる量が少なくても
しっかり栄養をとる工夫を、5つにしぼって紹介します。
結論:食欲がないときは「量を増やす」より「中身を濃くする」
- 1日3食にこだわらず、5〜6回に分けて少しずつ食べる
- ひと口目はたんぱく質のおかずから
- 2週間以上つづく、体重が減る場合は医師に相談
高齢者の食欲が落ちる5つの理由
食欲が落ちる理由は、ひとつではありません。
いくつかが重なっていることが多いです。
| 理由 | よくある例 |
|---|---|
| 体の変化 | においや味を感じにくい、胃が小さくなる |
| 口のトラブル | 入れ歯が合わない、かむと痛い |
| 運動不足 | 動かないので、おなかがすかない |
| 心の変化 | ひとりの食事、気分の落ちこみ |
| 病気・薬 | 便秘、薬の副作用、体の痛み |
入れ歯やかむ力に心あたりがある方は、
オーラルフレイルとは?噛む力・飲み込む力を守る習慣もあわせて読んでみてください。
少しの量で栄養をとる5つの工夫
工夫1:1日5〜6回に分けて食べる
1回の量が多いと、見ただけでおなかいっぱいになります。
朝・昼・夕の3食に、10時と15時の「おやつ」を足しましょう。
おやつは、お菓子より
ヨーグルト・チーズ・ゆで卵などがおすすめです。
工夫2:ひと口目は「たんぱく質」から
ごはんから食べると、すぐおなかがふくれます。
筋肉のもとになる肉・魚・卵・豆腐を先に食べましょう。
65歳以上のたんぱく質の推奨量は、1日に
男性60g・女性50gが目安です(日本人の食事摂取基準)。
たんぱく質のとり方は、高齢者がたんぱく質を賢く摂る5つのポイントでくわしく解説しています。
工夫3:「ちょい足し」で栄養を濃くする
量を増やさず、いつもの料理に足すだけです。
- みそ汁に卵を1個落とす
- おかゆにしらす・粉チーズをのせる
- 牛乳にきなこを大さじ1杯まぜる
- 野菜にごま・オリーブ油をかける
工夫4:食べる前に5分だけ体を動かす
動かないと、おなかはすきません。
食事の前に5分の散歩や足ぶみをしてみましょう。
だれかと一緒に食べるのも効果的です。
会話があると、自然と食が進みます。
工夫5:食べられない日は「栄養補助食品」にたよる
どうしても食べられない日もあります。
そんな日は、小さな量で栄養がとれる補助食品が便利です。
たとえば明治の「メイバランスMini」は、
125mlの小さなパックで200kcalがとれます。
8種類の味があるので、あきにくいのが良いところです。
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飲み物が苦手な方には、ゼリータイプもあります。
「アイソカルゼリー ハイカロリー」は1個66gで150kcal。
おやつ感覚で、スプーンで食べられます。
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注意:腎臓病・糖尿病などで食事制限がある方は、補助食品を使う前にかかりつけ医や管理栄養士に相談してください。
こんなときは病院へ|受診の目安
食欲がないのは、病気のサインのこともあります。
次のどれかに当てはまったら、早めに受診しましょう。
- 食欲がない状態が2週間以上つづく
- 6か月で2〜3kg以上体重が減った
- 飲みこむとむせる、のどにつかえる
- 気分が落ちこむ日がつづいている
- 水分もあまりとれていない
水分不足は命にかかわることもあります。
高齢者の脱水を防ぐ水分補給の方法もチェックしてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 食欲がないとき、無理に3食食べるべきですか?
A. 無理に3食にこだわる必要はありません。
1日の合計で栄養がとれれば大丈夫です。
5〜6回に分けて、少しずつ食べましょう。
Q2. 栄養補助食品は毎日飲んでもいいですか?
A. 多くの方は毎日1〜2本なら問題ありません。
ただし、食事制限がある方は医師に相談してください。
あくまで「食事の助け」として使うのが基本です。
Q3. 食欲を出すのにおすすめの食べ物は?
A. 酸味(梅・酢の物)や香り(しょうが・しそ)は、
食欲を引き出す助けになります。
見た目の色どりを良くするのも効果的です。
Q4. 家族が食べてくれないときは、どうしたらいいですか?
A. 「もっと食べて」とせかすのは逆効果のことも。
好きなものを小皿に少しずつ出してみてください。
一緒に食卓を囲むだけでも、食べる量は変わります。
まとめ|「少しずつ・中身を濃く」で体を守る
- 食欲が落ちる理由は、体・口・心・病気などいろいろ
- 1日5〜6回に分けて、少しずつ食べる
- ひと口目はたんぱく質から
- 「ちょい足し」と補助食品で、量を増やさず栄養アップ
- 2週間以上つづく、体重が減るときは受診を
食べる力は、歩く力のもとです。
まずは今日のおやつに、ヨーグルトを1つ足すことから始めてみましょう。
参考文献
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
- 厚生労働省「基本チェックリスト」(介護予防・日常生活支援総合事業)
- 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「高齢者の食事」「高齢期の低栄養改善の課題と実践的方策」
- 国立長寿医療研究センター「低栄養状態のセルフチェック」
- 明治「メイバランスMini」製品情報/ネスレ「アイソカル ゼリー ハイカロリー」製品情報
