お昼ごはんのあと、ついウトウト。
気づいたら1時間以上たっていた…。
そして夜は、なかなか寝つけない。
そんな毎日になっていませんか。
昼寝は、とり方しだいで「体の味方」にも「夜の敵」にもなります。
この記事では、高齢の方がやってよい昼寝の長さと、すぐに試せるコツをまとめました。
結論:昼寝は「午後3時まで・30分以内」
先に答えをお伝えします。
・時間は30分以内(できれば20分ほど)
・時刻は午後1時〜3時のあいだ
・場所は布団ではなくイスやソファ
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、高齢者の昼寝は30分以内をめどにとすすめています。
なぜ「長い昼寝」はよくないの?
①夜の眠りが浅くなる
昼に長く眠ると、夜に必要な「眠りたい力」が減ってしまいます。
その結果、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めやすくなったりします。
夜に眠れない → 昼にまた眠い → 長く昼寝をする。
この悪い循環に入りやすいのです。
②認知症のリスクと関係している
アメリカで約1,400人の高齢者を最長14年追った研究があります。
1日1時間以上昼寝をする人は、1時間未満の人に比べてアルツハイマー型認知症になるリスクが約4割高かったと報告されています。
一方、国内の研究では、30分以内の短い昼寝の習慣がある人ほどリスクが低かったという報告もあります。
「昼寝そのもの」が悪いのではなく、長さが分かれ道なのです。
③昼間に動く時間が減る
昼寝が長いと、そのぶん体を動かす時間が減ります。
動かない時間が増えると、足の筋肉は少しずつ弱っていきます。
昼寝の長さでこう変わる(早見表)
| 昼寝の長さ | 体への影響 |
|---|---|
| 15〜20分 | ◎ 頭がすっきり。夜の眠りもじゃましにくい |
| 30分まで | ○ 目安の上限。これ以上はのばさない |
| 1時間以上 | △ 起きたあとボーッとしやすい。夜の不眠につながる |
| 夕方以降(午後4時〜) | × 短くても夜の寝つきが悪くなりやすい |
上手な昼寝のコツ5つ
コツ1:昼食後、午後3時までにすませる
人の体は、午後1〜3時ごろに自然と眠くなるようにできています。
この時間帯にサッと休むのがいちばん効率的です。
コツ2:タイマーを「20分」にセットする
「少しだけ」のつもりが、つい長くなるのが昼寝です。
横になる前に、必ずタイマーをかけましょう。
耳が遠くなってきた方は、音だけでなく光や振動で知らせるタイマーが安心です。数字が大きいものなら、操作もしやすくなります。
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コツ3:布団に入らず、イスやソファで
布団で横になると、深い眠りに入りやすくなります。
深く眠ると、起きたあとにボーッとしたり、ふらついたりしがちです。
背もたれのあるイスに座り、軽く目を閉じるくらいがちょうどよい深さです。
コツ4:目もとを暗く・温かくする
昼間は部屋が明るく、なかなか寝つけないこともあります。
カーテンを少し引くか、アイマスクで目もとを暗くしましょう。
温めるタイプのアイマスクなら、約20分で冷めるので「寝すぎない合図」にもなります。
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コツ5:起きたら、光を浴びて少し歩く
目が覚めたら、まずカーテンを開けて明るい光を浴びます。
そのあと家の中を1〜2分歩くと、頭も体もシャキッとします。
起きてすぐに立ち上がると、ふらついて転ぶことがあります。
まず座ったまま足首を10回動かしてから、ゆっくり立ちましょう。
こんな昼寝は受診のサインかも
次のような変化があれば、かかりつけ医に相談してください。
- 以前より昼寝の時間や回数が、急に増えた
- 夜もしっかり寝ているのに、昼間ずっと眠い
- 家族から「寝ているとき、いびきが止まる」と言われた
- 新しい薬を飲み始めてから眠気が強い
睡眠時無呼吸症候群や薬の影響、病気のサインが隠れていることがあります。
夜の眠りそのものを見直したい方は、高齢者の睡眠の質を改善する7つの方法もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q1. 昼寝はしないほうがいいのですか?
A. いいえ。30分以内の短い昼寝なら、頭がすっきりして午後の活動がしやすくなります。眠くないのに無理に寝る必要はありませんが、眠いときは短く休むのがおすすめです。
Q2. 30分で起きられません。どうすればいいですか?
A. タイマーを手の届かない場所に置くと、止めるために立ち上がるので二度寝を防げます。また、昼寝の前にお茶やコーヒーを1杯飲むと、カフェインが効きはじめる20〜30分後に目覚めやすくなります。
Q3. 夕方にどうしても眠くなります。
A. 夕方の居眠りは夜の寝つきを悪くします。立って家事をする、外を少し散歩するなど、体を動かして眠気をやりすごしましょう。夜の過ごし方は一生歩くためのナイトルーティン5ステップも参考になります。
Q4. 夜の睡眠と昼寝、合わせて何時間がよいですか?
A. 睡眠ガイドでは、高齢者は布団の中にいる時間が8時間をこえないことが目安とされています。長く寝れば良いわけではありません。くわしくは高齢者の「寝すぎ」と適正睡眠の考え方をご覧ください。
まとめ
- 昼寝は午後3時まで・30分以内
- 横になる前にタイマーをセット
- 布団ではなくイスやソファで
- 起きたら光を浴びて少し歩く
昼寝は「やめるもの」ではなく、上手に短くとるものです。
まずは今日の昼寝から、タイマーを20分にセットしてみませんか。
参考文献
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(2024年)
Li P, et al. Daytime napping and Alzheimer’s dementia: A potential bidirectional relationship. Alzheimer’s & Dementia. 2023;19(1):158-168.
日本睡眠学会「睡眠障害の基礎知識 高齢者の睡眠障害」
