「最近、なんだか疲れやすくなった…」「食欲がなくて、食べる量が減ってきた…」
そんなお悩みを持つ方、もしかしたら「低栄養」が原因かもしれません。
高齢になると、「食べているのに栄養が足りない」という状況が起きやすくなります。特に不足しがちなのが、たんぱく質です。
65歳以上の高齢者の低栄養傾向は、男性で12.2%、女性では22.4%(令和5年・国民健康・栄養調査)。女性の約5人に1人が低栄養のリスクを抱えている計算です。
この記事では、高齢者がたんぱく質不足・低栄養を防ぐための、実践的な食事のポイントを5つ紹介します。
まず結論:毎食「たんぱく質のある主菜」を1品つけること
難しく考える必要はありません。
毎食に肉・魚・卵・豆腐などのおかずを1品加えるだけで、状況は大きく変わります。
なぜ高齢者は低栄養になりやすいのか?
加齢とともに、食べる量は自然と減っていきます。主な原因は以下の通りです。
- 噛む力・飲み込む力の低下で、食べにくい食品を避けてしまう
- 食欲の低下(運動量の減少・味覚の変化)
- 一人暮らしで食事が簡単になりがち(ご飯とお漬物だけなど)
- 意識せずに炭水化物に偏りやすい
こうした小さな変化が積み重なると、気づかないうちにたんぱく質が足りなくなってしまいます。
たんぱく質が不足するとどうなる?
たんぱく質は、筋肉・骨・血液・免疫細胞など、身体のあらゆる組織の材料です。不足すると…
- 筋肉量が落ちる(サルコペニア・フレイルの原因に)
- 免疫力が下がり、感染症にかかりやすくなる
- 傷の治りが遅くなる
- 骨がもろくなり、骨折リスクが上がる
- 転倒・要介護へとつながるリスクが高まる
特に怖いのは、サルコペニア(筋肉量の低下)への進行です。サルコペニアについては、気づかぬうちに進む!高齢者のサルコペニアを防ぐ運動・食事習慣5選もあわせてご覧ください。
1日に必要なたんぱく質の量は?
高齢者(65歳以上)に必要なたんぱく質の目安は、体重1kgあたり1.0〜1.2gです(日本人の食事摂取基準2020年版)。
| 体重 | 1日の目安量 |
|---|---|
| 40kg | 40〜48g |
| 50kg | 50〜60g |
| 60kg | 60〜72g |
食品に換算すると、卵1個で約6g、納豆1パックで約7g、鶏むね肉100gで約23gのたんぱく質が摂れます。
1日3食でバランスよく分散して摂ることが筋肉量の維持に重要です。
高齢者がたんぱく質を賢く摂る5つのポイント
① 毎食に「主菜」を1品つける
朝食でも、卵・豆腐・ヨーグルトなど手軽なたんぱく源を取り入れましょう。
「ごはんと漬物だけ」はNG。毎食に必ず1品、たんぱく質のある料理を追加するだけで十分です。
② たんぱく質が豊富な食品を知っておく
たんぱく質の多い食品を意識的に選ぶことが大切です。
動物性たんぱく質(吸収が速い):
鶏むね肉・サーモン・マグロ・卵・牛乳・ヨーグルト・チーズ
植物性たんぱく質(腸活にも◎):
納豆・豆腐・厚揚げ・枝豆・大豆製品
両方を組み合わせると、アミノ酸バランスがよくなり吸収効率も上がります。
③ 間食にも「たんぱく質」を活用する
おやつに甘いものだけ食べている方は、ひと工夫を。
- ヨーグルト(1個あたり約4〜6g)
- チーズ(1切れあたり約4g)
- ゆで卵(1個で約6g)
こうしたたんぱく源を「間食」に取り入れるだけで、1日の摂取量をかんたんに増やせます。
④ 食べやすく調理する工夫をする
噛む力や飲み込む力が落ちている場合は、やわらかく調理することが大切です。
- 肉は「ひき肉・蒸し鶏」に変える
- 魚は「焼く」より「煮る・蒸す」でやわらかく
- 豆腐・卵はいつでもやわらかくて食べやすい
口腔機能の低下が気になる方は、高齢者の便秘は放置すると危険!今日から始められる腸活習慣5選もあわせて参考にしてみてください。
⑤ 栄養補助食品でサポートする
食事だけで不足する場合は、栄養補助食品を上手に活用しましょう。高齢者向けに特化したプロテインは、消化吸収しやすく、甘さも控えめで続けやすいのが特徴です。
特に運動後や間食のタイミングで摂ると効果的です。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 動物性と植物性、どちらのたんぱく質がよいですか?
両方をバランスよく摂ることが理想的です。動物性(肉・魚・卵・乳製品)は吸収効率が高く、植物性(豆腐・納豆)は腸内環境にも良い影響を与えます。どちらかに偏らず、毎日さまざまな食品から摂ることをおすすめします。
Q2. 食欲がなくてたくさん食べられない場合は?
3食を少量ずつに分けて、間食も活用しましょう。「毎食に必ずたんぱく源を1品」を意識するだけで十分です。プロテインドリンクを間食代わりにするのも効果的です。
Q3. 腎臓が悪い場合でもたんぱく質を多く摂ってよいですか?
腎機能の低下がある場合は、たんぱく質の摂りすぎが負担になることがあります。必ず主治医や管理栄養士に相談してから量を決めてください。
Q4. 低栄養かどうか、どうやって判断できますか?
BMIが20以下、または最近6か月で2〜3kg以上体重が落ちた場合は低栄養のリスクがあります。かかりつけ医での定期検査(血清アルブミン値など)でも確認できます。
Q5. プロテインサプリを飲むベストなタイミングは?
運動後30分以内か、食事の間(間食として)に摂るのが効果的です。胃腸の弱い方は昼食後や夕食前のタイミングがおすすめです。
まとめ
高齢者の低栄養は、「食べているのに気づかないうちに進む」のが怖いところです。
今日からできることは、たった一つ。毎食に、たんぱく質のある「主菜」を1品加えること。
それだけで、フレイル・サルコペニアの予防につながります。腸内環境の改善とあわせて実践するなら、高齢者の便秘は放置すると危険!今日から始められる腸活習慣5選もあわせてご覧ください。
「健康で長生き」するために、食事からできる介護予防を、今日から始めてみましょう。
参考文献
- 令和5年 国民健康・栄養調査結果(厚生労働省)
- 日本人の食事摂取基準2020年版(厚生労働省)
- 高齢者の低栄養|健康長寿ネット(公益財団法人 長寿科学振興財団)
- 食事摂取基準を活用した高齢者のフレイル予防事業(厚生労働省)

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