座ったままできる筋トレ5選|高齢者が椅子で足腰をきたえる1日10分の体操

椅子に座ってゴムバンド体操をする高齢者たち 運動

「ひざが痛くて、散歩に出られない」
「寒くなって、外を歩く日がへった」

こんなとき、足腰の力はどんどん落ちていきます。
でも、あきらめる必要はありません。

じつは椅子に座ったままでも、足腰はきたえられます。
この記事では、自宅で1日10分でできる5つの体操を紹介します。

結論:座ったままの筋トレでも、足腰の力は保てる

  • 椅子体操で立ち上がる力や握力が上がったという研究がある
  • 5つの体操を1日10分・週2〜3日以上つづける
  • 息を止めず、数を声に出す。痛いときは休む

座ったままの運動でも、足腰はきたえられる

筋肉は40歳ごろから少しずつへっていく

筋肉は40歳ごろから、少しずつへり始めます。
70歳ごろには、20歳のころより約30%少なくなるといわれています。

とくに落ちやすいのが、太ももなどの足の筋肉です。
足の力が落ちると、ふらつきや転倒につながります。

椅子体操の効果は研究でもたしかめられている

50歳以上を対象にした25の研究をまとめた報告があります。
椅子に座って行う運動で、30秒間の立ち座りの回数や握力が改善しました。

立って行う運動がむずかしい人にも、
すすめやすい方法だと考えられています。

国のすすめは「筋トレを週2〜3日」

厚生労働省のガイドでは、高齢者に筋トレを週2〜3日行うことをすすめています。
あわせて、座りっぱなしの時間を長くしないことも大切です。

椅子でできる足腰の筋トレ5選

まずは、安全な椅子を用意しましょう。

  • キャスター(車輪)のない、動かない椅子
  • 座ったとき、足の裏がしっかり床につく高さ
  • できれば、ひじかけのある椅子

体操1:その場で足ぶみ(左右20回)

背すじをのばし、浅めに座ります。
ももを交互に、ゆっくり上げ下げしましょう。

腕もふると、全身がぽかぽかしてきます。準備運動にぴったりです。

体操2:ひざのばし(左右10回)

片方のひざを、まっすぐ前にのばします。
のばしたまま5秒キープして、ゆっくり下ろしましょう。

太ももの前の筋肉がきたえられます。
歩く・階段をのぼる力のもとになる筋肉です。

なれてきたら、足首に軽いおもりをつけるのも一つの方法です。
たとえば「GronG アンクルウエイト」は、0.5kgから選べます。
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※最初は0.5kgの軽いものから始めましょう。ひざに痛みが出たら外してください。

体操3:かかと上げ・つま先上げ(各20回)

足の裏を床につけたまま、かかとを上げ下げします。
次に、つま先を上げ下げしましょう。

ふくらはぎとすねの筋肉が働きます。
つまずきにくい足づくりに役立ちます。

体操4:椅子からの立ち座り(5〜10回)

足を肩はばに開き、少し前かがみになって立ち上がります。
座るときは、ゆっくりおしりを下ろしましょう。

不安な人は、ひじかけや机に手をそえて行ってください。
5回から始めて、10回をめざします。

体操5:ゴムバンドで腕を引く(10回)

ゴムバンドの両はしを持ち、胸の前で左右に引きます。
肩・背中・腕の筋肉がきたえられます。

ゴムの強さで負荷を変えられるのが便利です。
リハビリの現場でも使われる「セラバンド」は、2mを切って使えます。
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※天然ゴムでできているため、ゴムアレルギーのある方は注意してください。

続けるコツは「時間を決める」こと

5つの体操は、全部で約10分です。
生活の中に「いつやるか」を決めておきましょう。

タイミングやること
朝ごはんのあと体操1〜3(足ぶみ・ひざのばし・かかと上げ)
昼のテレビの時間体操4(立ち座り)を5回
夕方体操5(ゴムバンド)を10回

運動の前後には、体をほぐすストレッチもおすすめです。
「寝たままできる夜の全身ストレッチ8種」もあわせてどうぞ。

安全に行うための注意点

次のときは無理をせず休みましょう

  • 熱がある、体調がすぐれない日
  • 関節に痛みがある(痛くない範囲にとどめる)
  • 血圧がいつもより高い日
  • 胸の痛み・息苦しさ・めまいが出たとき(すぐ中止)

力を入れるとき、息を止めると血圧が急に上がります。
「いち、に、さん」と数を声に出しながら行いましょう。

持病のある方は、始める前に主治医に相談すると安心です。

よくある質問

Q1. 毎日やってもいいですか?

はい。軽い体操なので、毎日でもかまいません。
筋肉痛が強い日は休み、週2〜3日以上を目安に続けましょう。

Q2. どのくらいで効果が出ますか?

個人差はありますが、研究の多くは数週間〜数か月つづけています。
まずは3か月を目標に、立ち座りの回数で変化をたしかめましょう。

Q3. ひざが痛くてもできますか?

痛みの出ない範囲で、回数を減らして行ってください。
ひざの痛みについては「ひざの痛みを和らげる5つの対策」でも紹介しています。

Q4. 座ったままの運動だけで十分ですか?

始めの一歩としては十分です。
なれてきたら、立って行うバランス運動や散歩も加えましょう。
「バランス力を鍛える3つの習慣」が参考になります。

まとめ:椅子があれば、今日から足腰はきたえられる

  • 筋肉は年とともにへるが、座ったままの運動でもきたえられる
  • 足ぶみ・ひざのばし・かかと上げ・立ち座り・ゴムバンドの5つ
  • 1日10分・週2〜3日以上を目安に
  • 息を止めず、痛いときは休む

まずは今日、テレビを見ながら足ぶみ20回から始めてみましょう。

参考文献

  • 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
  • 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「運動機能の老化による変化」
  • 山梨県「いきいき百歳体操」資料
  • Klempel N, et al. The Effect of Chair-Based Exercise on Physical Function in Older Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis. Int J Environ Res Public Health. 2021;18(4):1902.
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