「口の中がネバネバする」
「夜中に、口がカラカラで目が覚める」
こんな口の乾きを、年のせいとあきらめていませんか。
じつは、飲んでいる薬や生活のクセが関係していることも多いのです。
この記事では、口の乾き(ドライマウス)の原因と、
今日からできる対策を5つにしぼって紹介します。
結論:口の乾きは「うるおす・出す・相談する」で対応する
- こまめな水分と保湿ジェルで、口をうるおす
- よくかむ・マッサージで、だ液を出す
- 2週間以上つづくときは、歯科や主治医に相談する
口の乾きを放っておくと起きる3つのこと
だ液は、1日に1〜1.5リットルほど出るといわれています。
口の中を洗い、ばい菌から守る大切な水分です。
だ液が減ると、次のようなことが起きやすくなります。
- むし歯・歯周病・口臭がふえる
- 食べ物が飲みこみにくくなり、むせやすい
- 入れ歯がこすれて痛い、味がわかりにくい
だ液が少ない人は、かぜやインフルエンザに
かかりやすいという報告もあります。
「たかが口の乾き」と軽く見ないことが大切です。
むせが気になる方は、誤嚥性肺炎を防ぐ口腔ケア5選もあわせてどうぞ。
高齢者の口が乾く4つの原因
原因は、年齢だけではありません。
いくつかが重なっていることが多いです。
| 原因 | よくある例 |
|---|---|
| 薬の副作用 | 血圧の薬、睡眠・不安の薬、アレルギーの薬、利尿薬など |
| 水分不足 | のどの渇きを感じにくい、トイレを気にして飲まない |
| 口呼吸・かむ回数の低下 | 口をあけて寝る、やわらかい物ばかり食べる |
| 病気 | 糖尿病、シェーグレン症候群など |
薬を自分の判断でやめないでください
- 口が乾くからと薬をやめると、持病が悪くなることがあります
- 「薬を飲みはじめてから口が乾く」と、主治医や薬剤師に伝えるのが正解です
- お薬手帳を持っていくと、相談がスムーズです
今日からできる口の乾き対策5つ
対策1:ひと口30回、よくかんで食べる
かむことは、だ液を出すいちばんのスイッチです。
まずはひと口30回を目安にしてみましょう。
飲みこみに問題がない方は、
砂糖の入っていないガムをかむのも良い方法です。
対策2:水分は「少しずつ、何回も」とる
一度にたくさん飲むより、
コップ半分を1〜2時間おきに飲むほうが口はうるおいます。
お茶やコーヒーばかりでなく、水や白湯もとり入れましょう。
心臓や腎臓の病気で水分制限がある方は、医師の指示を守ってください。
飲む量の目安は、高齢者の脱水を防ぐ水分補給の方法でくわしく紹介しています。
対策3:部屋の湿度を50〜60%に保つ
これからの季節は、暖房で空気が乾きます。
加湿器やぬれタオルで、湿度50〜60%を目安にしましょう。
口をあけて寝るクセがある方は、
寝るときにマスクをつけると、朝のカラカラがやわらぎます。
対策4:食事の前に「だ液腺マッサージ」を1分
だ液の出口のまわりを、やさしく押す方法です。
食事の前に、次の3か所を行います。
- 耳の前(ほほ):指4本をあて、後ろから前へ10回まわす
- あごの骨の内側:耳の下からあごの先まで、親指で5か所を順に押す
- あごの真下:両手の親指で、舌を突き上げるように10回押す
効果には個人差があり、これだけで治るものではありません。
痛みがない強さで、ほかの対策と組み合わせて行いましょう。
対策5:保湿ジェル・洗口液でうるおいを足す
だ液が出にくいときは、外からうるおいを足します。
専門家の解説でも、ジェルタイプは保湿が長もちしやすいとされています。
たとえば「バイオティーン オーラルバランスジェル」は、
アルコール・香料を使わない、口の保湿用ジェルです。
指に1〜2cmとり、舌やほほの内側にぬり広げます。
寝る前に使うと、夜中の乾きがらくになります。
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日中のネバつきには、すすぐタイプが手軽です。
同じシリーズの洗口液は、アルコールなしで刺激がひかえめ。
約15mLを口にふくみ、30秒すすぎます。
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アルコール入りの洗口液は、かえって口を乾かすことがあります。
また、むせやすい方は、すすぐタイプやスプレーはさけて、
ジェルを選ぶと安心です。
毎日の歯みがきや舌のケアは、口腔ケアの正しいやり方を参考にしてください。
こんなときは早めに受診を
歯科・歯科口腔外科、またはかかりつけ医に相談する目安
- 口の乾きが2週間以上つづく
- 舌がヒリヒリする、口の中が赤くただれる
- パンやクッキーが、水なしでは飲みこめない
- 目の乾きや、強いのどの渇き・尿の多さもある
病気がかくれていることもあります。
がまんせず、早めにみてもらいましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 口の乾きは、年のせいだから仕方ないですか?
A. 年齢だけが原因とはかぎりません。
薬や水分不足、口呼吸など、見直せる原因も多いです。
まずは思いあたる点をチェックしてみましょう。
Q2. 夜中に口が乾いて目が覚めます。どうすればいいですか?
A. 寝る前に保湿ジェルをぬり、寝室を加湿しましょう。
マスクをつけて寝るのも一つの方法です。
枕もとに水を置き、ひと口ふくむのも役立ちます。
Q3. あめをなめるのは良いですか?
A. だ液を出す助けになります。
ただし砂糖入りは、むし歯の原因になります。
シュガーレスのものを選びましょう。
むせやすい方は、のどにつまらせないよう注意してください。
Q4. 入れ歯でも保湿ジェルは使えますか?
A. 多くの保湿ジェルは、入れ歯をしている方も使えます。
入れ歯の内側にうすくぬると、こすれがやわらぐこともあります。
使い方は商品の説明を確認し、迷ったら歯科で相談しましょう。
まとめ:口のうるおいは、食べる力を守る土台
- 口の乾きは、むし歯・むせ・感染症のリスクにつながる
- 原因は年齢だけでなく、薬・水分不足・口呼吸も多い
- よくかむ、こまめに飲む、加湿する、マッサージ、保湿ジェルの5つで対策
- 薬は自分でやめず、2週間以上つづくなら受診する
口がうるおうと、食事も会話も楽しくなります。
できそうなものを、今日ひとつだけ始めてみてください。
口の機能全体については、オーラルフレイルとは?もご覧ください。
参考文献
- 岩渕博史「高齢者のQOLを低下させるドライマウスへの対応」公益財団法人 長寿科学振興財団(2020)
- MSDマニュアル家庭版「口腔乾燥」
- メディカルノート「口腔乾燥症」
