「血圧が高いと言われたけど、とくに症状がないから大丈夫」——そう思っていませんか?
じつは、高血圧は「サイレントキラー(静かな殺し屋)」と呼ばれています。自覚症状がほとんどないまま、脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めるからです。
でも、生活習慣を変えるだけで、血圧は下がります。この記事では、2025年に改訂された最新ガイドラインをもとに、高齢者が今日から実践できる血圧対策を5つご紹介します。
【結論】高血圧は「減塩」と「運動」で大きく改善できる
2025年に発表された「高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)」では、生活習慣の改善が治療の基盤として強調されています。
とくに効果が大きいのは「減塩」と「適度な運動」の2つ。薬を飲んでいる方も、この2つを意識するだけで効果がぐんと上がります。
対策①:塩分は1日6g未満をめざす
日本人の高血圧のいちばんの原因は、塩分のとりすぎです。
厚生労働省の目標は1日6g未満。しかし、日本人の平均は約10gで、大幅にオーバーしています。
すぐにできる減塩のコツ:
- みそ汁は1日1杯までにする
- しょうゆは「かける」→「つける」に変える
- だし・酢・レモン・スパイスでうまみを足す
- 減塩タイプの調味料に切りかえる
- 加工食品(漬物・ハム・カップ麺)をへらす
1g減塩するだけで、血圧は約1mmHg下がると報告されています。少しずつでOKです。
対策②:1日30分の有酸素運動をする
ウォーキングなどの有酸素運動は、血圧を平均5〜8mmHg下げる効果があります。
| おすすめ運動 | 時間の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| ウォーキング | 30分/日 | 早歩きでなくてOK |
| 水中歩行 | 20〜30分 | ひざにやさしい |
| ラジオ体操 | 10分/日 | 全身の血流改善に |
注意:息が止まるような力仕事や重いものを持ち上げる運動は、血圧を急上昇させます。「少し息がはずむ程度」の運動を続けましょう。
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対策③:体重を適正にたもつ
肥満は血圧を上げる大きな原因です。
研究では、体重を4kg減らすだけで、血圧が約4.5/3.2mmHg下がることがわかっています。体重1kgの減量で、収縮期血圧が約1mmHg低下します。
ただし高齢者は、急な減量はフレイル(虚弱)をまねくリスクがあります。
- BMI 25以上の方は、半年で2〜3kgの減量を目標に
- 食事はたんぱく質をしっかりとりながらカロリーを調整
- やせすぎ(BMI 20未満)の方は減量不要
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対策④:お酒はビール中びん1本までにする
アルコールの飲みすぎは血圧を上げます。
厚生労働省がすすめる適量の目安はこちらです。
| お酒の種類 | 男性の適量 | 女性の適量 |
|---|---|---|
| ビール | 中びん1本(500ml) | 中びん半分(250ml) |
| 日本酒 | 1合(180ml) | 0.5合(90ml) |
| ワイン | グラス2杯 | グラス1杯 |
「休肝日」を週に2日以上もうけることも大切です。
対策⑤:家庭で毎日血圧をはかる
病院ではかる血圧は、きんちょうで高く出ることがあります(「白衣高血圧」)。逆に、病院では正常なのに家庭で高い「仮面高血圧」もあります。
家庭血圧のはかり方:
- 朝と夜の1日2回はかる
- 朝:起床後1時間以内、トイレの後、朝食前
- 夜:寝る前(入浴後1時間以上あける)
- いすに座って1〜2分やすんでからはかる
- 上腕式の血圧計がおすすめ(手首式より正確)
JSH2025では、家庭血圧の目標値は125/75mmHg未満とされています。毎日の記録を医師に見せることで、より正確な治療につながります。
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よくある質問(FAQ)
Q. 高齢者の血圧の目標値は?
A. 最新のガイドライン(JSH2025)では、診察室で130/80mmHg未満、家庭で125/75mmHg未満が基本です。ただしフレイルや要介護の方は、医師と相談して個別に設定します。
Q. 減塩はどのくらい続ければ効果が出ますか?
A. 2〜4週間で血圧の変化が見えてきます。長く続けるほど効果が安定します。いきなり完璧をめざさず、まず1品の減塩から始めましょう。
Q. 血圧の薬を飲んでいても生活習慣の改善は必要ですか?
A. はい、必要です。ガイドラインでも、薬と生活習慣の改善を両方行うことが強くすすめられています。薬だけにたよらないことが大切です。
Q. 血圧が高いとき、すぐに病院に行くべきですか?
A. 180/120mmHg以上が続く場合や、頭痛・胸の痛み・息切れをともなう場合はすぐに受診してください。それ以外は、まず安静にして15分後に再測定しましょう。
まとめ:今日からできる血圧対策5つ
- 塩分を1日6g未満に
- 1日30分の有酸素運動をする
- 体重を適正にたもつ(急な減量はNG)
- お酒は適量にとどめる
- 毎日、家庭で血圧をはかる
高血圧は「自分で管理できる」病気です。まずは「みそ汁を1日1杯にする」と「毎朝血圧をはかる」の2つから始めてみてください。
血圧が気になる方は、かかりつけ医に相談のうえ、定期的な健康診断を受けましょう。
参考文献
- 日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)」
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
- 厚生労働省「健康日本21(第二次)」
- 厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム」
- TONE研究(高齢者の減量と降圧効果)

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