冬の転倒予防 ― “すべらない生活”で守る健康寿命

家の環境整備

なぜ冬は転倒が増えるのか?

 冬は気温の低下とともに、

  • 外出機会の減少(筋力・バランス低下)
  • 室内の冷え(筋肉のこわばり)
  • 床の結露・靴下滑り・暗さ(環境リスク)

 が重なり、転倒リスクが1.5〜2倍に上がると言われています。

過去の知見
厚生労働省「高齢者の転倒実態調査」(2018)によると、冬期は年間で最も転倒件数が多く、転倒の6割が室内で発生。
特に「起床直後」「トイレ」「廊下」「脱衣所」での転倒が顕著でした。

最新情報
2023年の日本老年医学会レビューでは、「屋内転倒」も屋外と同等に重症化リスクがあることが明らかに。骨折や入院がきっかけでフレイル化する「転倒連鎖」が注目されています。


転倒の3つの要因

 転倒は偶然ではなく、「身体 × 環境 × 行動」の組み合わせで起こります。

要因改善策
身体的要因筋力低下、関節硬化、
視力・聴力低下、服薬
下肢筋力・バランス訓練、
服薬見直し
環境要因段差、照明不足、滑る床、
厚手のスリッパ
手すり・照明・マット改善
行動要因急いで動く、夜間トイレを我慢、厚着で動きにくい朝夕の動作をゆっくり、
暖房と防寒のバランス

“冬の転倒を防ぐ”ための運動ポイント

 次の運動で「歩く筋肉」と「支える筋肉」の両方を刺激しましょう!

下肢筋トレ(週3回目安)

  1. 椅子立ち上がり運動(スクワット)
     椅子に浅く座り、腕を使わずに立ち上がる ×10回×2セット
  2. 片足立ち(壁・椅子につかまって)
     左右30秒ずつ ×2回
  3. かかと上げ
     立ったまま、つま先をつけてかかとを上げ下げ ×10回×2セット

根拠:多成分運動(筋トレ+バランス+歩行)は、転倒率を約23〜30%低下させる(Cochrane Review, 2022)。


家の中の「危険ゾーン」を見直す


「転ばぬ先の杖」だけでなく、「転ばぬ先の灯り」「転ばぬ先の段差解消」が大切です。


やっぱり転倒は屋外で多い?

「転倒=屋外」ではない。むしろ“家の中の油断”が危険

 多くの高齢者が「冬は外に出ないから安全」と感じていますが、実際には在宅中の転倒が全体の60%以上と様々な調査で報告されています。


 とくに**夜間トイレ・暖房切り替え時の温度差(ヒートショック)**も転倒を誘発します。
 ➡︎ 「安全な部屋作り」が最も費用対効果の高い予防策です。


今日からできる実践チェックリスト

  • 寝る前にトイレに行く
  • 室内照明は“つけっぱなしでも安全優先”
  • 厚手の靴下より“滑り止め付き”
  • ベッド脇・廊下に手すりか安定した棚を配置
  • 毎日10分の下肢運動を続ける

今日のまとめ

  • 冬の転倒は“屋内”で起こる。
  • 下肢筋力+環境整備でリスク3割減。
  • 灯り・マット・手すり」が三種の神器。

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次回予告

次回のテーマは、
👉 冬に悪化しやすいフレイルと“こころの健康”(社会的孤立・気分低下への予防法)です!

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