「フレイル(虚弱)」という言葉を耳にしたことはありますでしょうか。これは、加齢に伴う心身の衰えを指し、放っておくと介護が必要な状態に進んでしまうこともあります。
でも実は、フレイルを防ぐ“最強の方法”のひとつが「人とのつながり」なんです。
今日は、なぜ社会参加が介護予防につながるのか、最新の研究と具体例を交えて紹介します。
フレイルとは?
フレイルは、健康と要介護の中間の状態です。
体の筋力が落ちる「身体的フレイル」だけでなく、
- 「気分が落ち込みやすい(心理的フレイル)」
- 「人づきあいが減る(社会的フレイル)」
など、心と人間関係の衰えも含まれます。
東京大学の研究では、1人暮らしで外出が少ない高齢者は、フレイル発生リスクが約2倍になることが報告されています。
つまり、「人と関わること」自体がフレイルの予防になるのです。
なぜ“社会参加”がフレイル予防になるのか?
理由は3つあります。
- 外出が増えて体が動く
→ 買い物や地域活動への参加が、自然な運動になる。 - 会話が脳を刺激する
→ 人と話すことで、記憶・判断・感情の脳領域が活性化される。 - 生きがいが生まれる
→ 「誰かの役に立っている」という感覚が、抑うつや無気力を防ぐ。
特に、週に1回以上の地域活動に参加している高齢者は、フレイル発生率が約40%低いというデータもあります(国立長寿医療研究センター, 2023)。
今日からできる“つながりの習慣”
社会参加というと「ボランティア」や「自治会」などを思い浮かべがちですが、もっと気軽でOKです。
- 近所の人に「おはよう」と声をかける
- スーパーで店員さんとひとこと話す
- 同じ時間に公園を散歩して、顔なじみをつくる
- オンラインで趣味のグループに参加する
- 家族や友人に1日1通LINEや電話をする
これらはすべて立派な「社会参加」です。
“人と関わるきっかけ”を持つことが、心と体の両方のフレイル予防になるのです。
地域での取り組みも活用しよう
最近では、全国の自治体や包括支援センターが「介護予防教室」や「いきいきサロン」を開催しています。
こうした場は、運動・栄養・交流をまとめてサポートしてくれる“社会参加の入り口”です。
「知らない人ばかりで不安」という声もありますが、実際には「行ってみたら楽しかった」という参加者が多いです。
まずは一度、近所のサロンや体操教室に参加してみてはいかがでしょうか。
まとめ
フレイル予防の鍵は、「体を動かす」「栄養をとる」だけではありません。
“人と関わる”ことが、健康寿命をのばす最も自然な方法なのです。
今日、誰かに一言声をかけること。それが、介護予防の第一歩になります。
次回予告
次回は、「睡眠が変わると、転倒が減る?──高齢者の快眠と介護予防の関係」をテーマにお届けします。
眠りの質が体のバランスや筋力にどう影響するのか、科学的な視点から解説します。


コメント