寒くなると、家で過ごす時間が長くなりがち。
「一日中座っていた」「気づけばほとんど動いていなかった」――そんな日、ありませんか?
実は“動かない時間(座位時間)”が長いことは、フレイル(虚弱)・転倒・認知症・生活習慣病のリスクと深く関わっています。
近年の研究では、「運動をする」こと以上に、「座りすぎを減らす」ことが健康寿命を延ばす鍵であると分かってきました。
今日は、“立ち上がるだけでも意味がある”介護予防の新常識を紹介します。
最新研究からわかる「座りすぎとフレイル」
| 内容 | 主な影響・効果 | 出典 |
|---|---|---|
| 座位時間が1日8時間以上の 高齢者 | フレイル発生リスクが1.6倍 | JAGES Study (Japan, 2022) |
| 座位時間と死亡率 | 運動をしていても、座位時間が長い人は死亡リスク上昇 | Lancet Public Health (2016) |
| 在宅高齢者の活動量 | “テレビ視聴時間”が長いほど、下肢筋力が低下傾向 | Geriatrics & Gerontology International (2023) |
| 軽い活動(立つ・歩く)を 1時間増やす | フレイル・転倒・認知機能 低下リスクが減少 | 国立長寿医療研究センター (2021) |
つまり、「運動不足」よりも、「動かない時間そのもの」が危険因子。
逆にいえば、“立ち上がる”だけで予防効果があるということです。
“座りすぎ”が体に及ぼす影響
- 筋肉が使われず、代謝が低下
→ 下肢筋(特に太もも・お尻)が急速に衰える。 - 血流が悪化し、糖や脂肪の処理能力が低下
→ 糖尿病・動脈硬化・高血圧のリスク増。 - 脳の刺激が減り、認知機能が低下
→ 活動量低下とうつ・認知症の悪循環。 - 姿勢が悪くなり、転倒・腰痛を招く
今日からできる「動かない時間」対策
🕐 日常に取り入れる“立ち上がり習慣”
- テレビCMのたびに立ち上がる
- 1時間ごとに「5分だけ立って伸びをする」
- 電話・ラジオを“立って聞く”
- 食器洗い・洗濯・掃除をこまめに分けて行う
🏠 室内でもできる“小さな動き”
- その場足踏み30回 × 3セット/日
- 立ち上がりスクワット(椅子からゆっくり立つ・座る ×10回)
- ペットボトルを使った簡単筋トレ(腕・肩の運動)
🔎 ある研究によると、「1日合計60〜90分の軽い活動」でもフレイルリスクが低下。
つまり、“運動しなきゃ”より、“ちょこちょこ動こう”の方が続きやすく、効果的です。
座ること=悪いこと?
「座位=悪」ではない
座ること自体が悪いのではなく、「長時間連続して座る」ことが問題。
たとえば、読書や編み物などの集中活動は、心の健康に良い面もあります。
大切なのは、“区切る”こと。
→ 45〜60分ごとに立ち上がる、軽く体を動かすだけでOK。
また、研究の多くは自己申告(質問票)による活動量データであり、
客観的データ(加速度センサー)とのずれがあるという限界もあります。

福老所長
「座りすぎリスク」は確かにありますが、実生活の中でどう減らすかが最も重要です。
家族・地域でできる工夫
- 地域サロンや公民館で「30分に1回立つ時間」を設ける
- 自治体で「立ち上がりチャレンジ」などの習慣化プログラムを導入
- 家族が“座りっぱなし”を優しく声かけで促す(「お茶入れようか?」など)

福老所長
「立つだけでも運動」その意識が、健康寿命を守ります。
今日のまとめ
- “座りすぎ”は新しい生活習慣病。
- 1時間に5分立つだけでフレイル予防になる。
- 続けるコツは“運動”ではなく“こまめに動く”こと。
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次回予告
次回のテーマは、
👉 「“冬の脱水”に注意 ― 水分不足が転倒と認知機能を招く」
を予定しています。
見落としがちな“冬の水分リスク”を、科学的根拠と実践法でお伝えします。


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