高齢者のフレイルを防ぐ“朝のたんぱく質習慣”とは?:不足サインとおすすめ朝食メニュー

食事

「しっかり食べているつもりなのに、筋肉が落ちてきた」「最近、疲れやすくて歩くのがしんどい」——

そんなサインの背景に、高齢期の“たんぱく質不足”が隠れていることがあります。

高齢者では加齢とともにたんぱく質摂取量が減りやすく、フレイル(虚弱)やサルコペニアのリスク要因になることが報告されています。

近年の研究では、特に“朝食で十分なたんぱく質をとること”が、筋肉量の維持や歩行機能の低下予防に役立つ可能性が示されています。

過去の考えと最新研究

以前は「1日のどこかでたんぱく質をとれていればよい」と考えられることもありましたが、現在は“1日3食でバランスよく摂取すること”が重要だとされています。

特に高齢者では、1食あたりおよそ20g前後のたんぱく質をとると筋タンパク質の合成が高まりやすく、朝食・昼食・夕食で均等にとることで筋肉量を守りやすいというデータがあります。

さらに、朝食時のたんぱく質摂取量を増やす介入によって筋肉量や身体機能の改善がみられた研究もあり、「朝のたんぱく質」を意識することがフレイル予防の一つのポイントと考えられています。

つまり、朝にたんぱく質が少ないと、その日の身体が“省エネモード”で動き出してしまう可能性がある、というイメージです。

高齢者に必要なたんぱく質量

高齢者のサルコペニアやフレイル予防のためには、腎機能などに問題がなければ、1日あたり体重1kgあたりおよそ1.0〜1.2gのたんぱく質摂取が望ましいとする提言があります。

たとえば体重50kgの方なら、1日50〜60g程度が目安となり、活動量が多い人ではやや多めをすすめる専門家もいます。

一方、実際の調査では高齢になるほどこの推奨量に届かない人が増えることが報告されており、特に女性や朝食での不足が目立つとされています。

今日からできる“朝のたんぱく質習慣”

朝食で20g前後のたんぱく質をとる目安として、以下のような組み合わせが参考になります(おおよその量・一般的な食品を想定)。

  • 卵2個+ヨーグルト1つ
  • 焼き鮭(切り身)1切れ
  • 豆腐1丁(約300g)
  • 納豆2パック+牛乳1杯
  • ギリシャヨーグルト1つ(高たんぱくタイプ)
  • サラダチキン 約1/2袋(内容量による)

ポイントは「忙しくても無理なく続けられる形にすること」で、納豆・卵・ヨーグルト・牛乳・ギリシャヨーグルトなどは準備しやすく、継続しやすい高たんぱく食品としておすすめです。

たんぱく質不足が気になるときのチェック

次のような状態が続くときは、たんぱく質やエネルギーの不足、活動量の低下などが隠れている可能性があります。

  • 夕方になると動くのがおっくうになる
  • 歩くスピードが以前より遅くなったと感じる
  • 太ももや二の腕が柔らかく、力が入りにくい
  • 何となく食欲が落ちた
  • ダイエットしていないのに体重がじわじわ減っている

これらはあくまでセルフチェックの目安ですが、いくつか当てはまる場合は、たんぱく質を含む食事量が足りているか、フレイルのリスクが高まっていないかを振り返るきっかけになります。

不安が強いときは、かかりつけ医や管理栄養士に相談し、必要に応じて血液検査や詳細な栄養評価を受けることも大切です。

まとめ:朝食からフレイル対策を

フレイル予防には、筋力トレーニングやウォーキングなどの運動に加え、毎日の食事、とくに「たんぱく質を十分にとること」が重要とされています。

高齢者の身体はたんぱく質不足の影響を受けやすいため、朝食から20g前後のたんぱく質を意識することで、その日の筋肉の使われ方や歩きやすさ、活動量をサポートできる可能性があります。

「朝はパンとコーヒーだけ」という人こそ、ゆで卵を1個足す、ヨーグルトや牛乳をプラスするなど、小さな“朝のたんぱく質習慣”から始めてみてください。

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次回予告

次回は「“立ち姿勢のクセ”が膝と腰を痛める——姿勢の偏りを防ぐ“片脚バランス”の科学」をテーマに解説していきます。

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