「最近、食べにくい」「噛むのが疲れる」「話しにくくなった」
──そんな小さな変化を感じていませんか?
それは“老化の初期サイン”である「オーラルフレイル(口の虚弱)」かもしれません。
今日は、口の健康が全身とどうつながっているのか、そして毎日できる簡単な予防法を紹介します。
オーラルフレイルとは?
オーラルフレイルとは、「口のささいな衰え」から始まる心身の機能低下の連鎖のことです。
具体的には、
- 噛む力の低下
- 飲み込みづらさ
- 滑舌の悪化
- 食事量の減少
などが組み合わさり、低栄養・筋力低下・フレイル化へと進んでいきます。
東京大学高齢社会総合研究機構の調査(2020年)では、オーラルフレイルのある高齢者は、要介護リスクが約2.4倍になることが報告されています。
なぜ「口の衰え」が全身に影響するのか
口は、“栄養を取り入れる入り口”であり、“会話で社会とつながる窓口”でもあります。
そのため、口の機能が低下すると、
- 食事量が減る → 栄養・筋肉が減る
- 発声が減る → コミュニケーションが減る
- 表情筋が減る → 感情表現・気力が低下
このように身体・脳・心が同時に衰える「負の連鎖」が起きてしまうのです。
今日からできる“オーラルフレイル予防”3つの習慣
👄1日5分の「あいうえお体操」
声を出してゆっくり大きく「あ・い・う・え・お」。
唇・舌・頬の筋肉を動かし、発声・表情・飲み込み力を同時に鍛えます。
💡ポイント:(1日2回・各5回ずつが目安)
- “顔全体を動かす”ように大げさに
- 鏡を見ながら行うと効果アップ
🦷食後の「歯と舌ケア」
複数の研究で「高齢者施設における口腔ケア介入により誤嚥性肺炎リスクが約40〜60%減少」という報告があります(Yoneyama et al., 2002)。
歯磨きだけでなく、舌ブラシやうがいもセットで行いましょう。
💡ワンポイント:
・舌ブラシは奥から手前へ、1日1回で十分
・口が乾きやすい人は保湿ジェルや水分補給も有効
🍎「よく噛む食事」を意識する
噛む回数を増やすと、唾液分泌が増え、消化・免疫機能が高まります。
目安はひと口30回です。
“ながら食べ”ではなく、「食べることに集中」してみましょう。
おすすめの“噛む食材”:
- ごぼう・れんこん・りんご
- するめ・ナッツ
- こんにゃく・きのこ類
オーラルケアは「脳トレ」にもなる
噛むことによって、脳の「前頭葉」「海馬」が刺激されます。
東北大学の研究(2021年)では、噛む力が強い人ほど認知機能が高いことが確認されています。
つまり、口の運動は食べるリハビリであり、脳のリハビリでもあるのです。
“歯科との二人三脚”が最強の予防
定期的に歯科検診を受ける人は、そうでない人に比べて要介護認定率が約半分になるという報告もあります。
半年に1回のメンテナンスが、“自分の歯で食べる力”を長く保ちます。
まとめ
口は、体の入口であり、介護予防の入り口でもあります。
噛む・話す・笑う──そのすべてが介護予防につながる。
1日5分の“口の運動”が、あなたの健康寿命を支えます。
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次回予告
次回は、「心の健康が体を守る」──ストレスとフレイルの意外な関係をテーマに、メンタルケアと身体機能のつながりを最新研究から解説します。


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