季節の変わり目に注意したい「低栄養とフレイル」

食事

なぜ今、低栄養に注意が必要か?

 秋から冬にかけては、食欲の変化・外出の減少・体調不良が重なり、「エネルギーとたんぱく質の摂取不足(低栄養)」が起こりやすくなります。


 特に高齢者では、低栄養が「フレイル(心身の脆弱化)」や「サルコペニア(筋肉減少)」の引き金となり、転倒・感染症・入院リスクの上昇につながります。

過去の知見
日本老年医学会の報告(2014)でも、地域在住高齢者の約15〜20%が低栄養またはそのリスク状態にあるとされました。

最新情報
2023年の国内調査(国立長寿医療研究センター)では、フレイルの約6割が栄養リスクを併発しており、たんぱく質とエネルギー摂取の不足が有意に関連していました。

 つまり、「筋力低下」や「元気が出ない」といった症状の裏には、“静かな低栄養”が隠れていることが多いのです。


「食べているつもり」でも足りていない?チェックしてみよう

以下の3つのうち、1つでも当てはまれば栄養リスクの可能性があります。

  • 最近、体重が2〜3kg以上減った
  • 以前より食事の量が減った(特に主菜=肉・魚・卵・豆腐)
  • 疲れやすい、立ち上がりが遅くなった

これらは「栄養チェックリスト」(例:MNA®︎-SF、厚労省の基本チェックリスト)でも使われる項目です。


今日からできる“たんぱく質リッチ”生活のコツ

  1. 1食あたり15〜25gのたんぱく質を目指す(体重50kgなら1日50〜60g)
  2. 食欲が落ちるときは、「牛乳・ヨーグルト・豆腐・卵」を小分けに
  3. 水分も忘れずに(1日1.5L前後
食事簡単な工夫たんぱく質量(目安)
卵+納豆+ごはん約18g
魚の焼き定食(鮭・鯖など)約25g
鶏むね肉や豆腐を使ったおかず約25g
間食チーズ・ヨーグルト・牛乳約8〜10g

Q:プロテイン飲料を飲めば、勝手に筋肉がつく?

 近年、サプリやプロテイン飲料が手軽に使われていますが、「飲めば筋肉がつく」わけではありません。


 研究では、たんぱく質摂取とレジスタンス運動(筋トレ)を組み合わせた場合にのみ筋力維持・改善効果が明確に出ています(日本静脈経腸栄養学会 2023)。


また、腎機能低下がある高齢者では、過剰摂取が逆効果になることもあります。


➡︎ 「食事を基本に、必要なら補助的に」が原則です。


栄養 × 運動 × 社会参加 がそろってこそ“真の予防”

 食事だけでも、運動だけでも不十分です。


 低栄養を防ぐには、「外に出る」→「体を動かす」→「お腹がすく」→「食べる」という循環を作ることが大切です。


 地域サロン・ウォーキング仲間・配食サービスなどを上手に使って、孤立しない環境を整えましょう。


今日のまとめ

  • 季節の変わり目は“静かな低栄養”に注意。
  • 1食にたんぱく質15〜25gを目安に。
  • 食事・運動・つながりの「3つの柱」でフレイル予防。

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次回予告

次回のテーマは、気温が下がるこの時期に増える
👉 「冬の転倒予防」
について掘り下げます。
(最新の転倒研究+家庭でできる実践法を紹介します)

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