冬にこそ気をつけたい「口の虚弱(オーラルフレイル)」― “噛む力”と“話す力”が、健康寿命を支える ―

口の健康

最近、食べにくくなった」「飲み込みづらい」「話すのが疲れる」――
こうした変化を“年のせい”と見過ごしていませんか?
実はそれ、”オーラルフレイル(口の虚弱)“の始まりかもしれません。

口の機能は「食べる・話す・笑う」という日常の基本。
冬は乾燥や水分不足、冷たい空気による喉の刺激などで、口腔機能が落ちやすい季節です。


今回は、オーラルフレイルの見分け方と、今日からできる口の健康づくりをお伝えします。

1. オーラルフレイルとは?


「噛む・飲み込む・話す・感じる」などの口の機能が徐々に低下し、低栄養やフレイルにつながる状態をオーラルフレイルと言います。

🧬 最新情報
2024年の国立長寿医療研究センターによる調査では、オーラルフレイルがある人は、

  • 5年後の要介護リスクが約2倍
  • 栄養状態の悪化・体重減少のリスクも上昇
    と報告されています。

つまり、口の健康=全身の健康のバロメーターなのです。


「最近ちょっと危ないかも?」セルフチェック

次のうち、1つでも当てはまればオーラルフレイルの可能性があります。

  • 硬いものが食べにくくなった
  • 食事中にむせることがある
  • 口が乾く
  • 活舌が悪くなったと感じる
  • 食べる量が減った
  • 外食や会話が減った

➡︎ 当てはまる項目が多いほど、早めの対策が大切です。


今日からできる「口の健康体操」

💋 ① あいうえお体操(発音筋のトレーニング)

ゆっくり大きく口を開けて「あ・い・う・え・お」と発音する ×5回
→ 口周り・舌・頬の筋肉を刺激。発声・食べる力・表情も改善。

👅 ② ベロ出し・舌先運動

舌をできるだけ前に出し、上下左右にゆっくり動かす ×10回
→ 飲み込み(嚥下)機能を強化。

💨 ③ ほっぺふくらまし呼吸

口を閉じて頬をふくらませ、3秒キープ → 口をすぼめて息を吐く ×5回
→ 唾液分泌が促され、乾燥を防ぐ。

🧾 オーラルエクササイズを12週間続けると、咀嚼力・舌圧・発声時間が改善(Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology, 2022)。


冬の口トラブル対策

状況対策のコツ
口が乾く水やお茶をこまめに摂取
(1回100mL×10回を目安)/加湿器を活用
入れ歯が合わない歯科で早めに調整を
(合わない入れ歯は栄養低下の原因)
唾液が少ないガムや梅干しで唾液腺刺激/よく噛む食事を
舌苔・口臭朝晩の舌ブラシ/うがいで清潔維持

私は歯があるから大丈夫?

「歯があれば安心」ではない

歯の本数だけでなく、“使える口”が大切です。
噛める飲み込める話せる機能があってこそ「口の健康」が保たれます。

🧠 研究の限界
一部の調査では、「歯の数」と「栄養状態」に相関があっても、因果関係が明確ではないことが指摘されています。
つまり、“歯がある=健康”ではなく、“使い続ける・ケアする”ことが真の予防です。

また、歯科受診の頻度が年1回未満だと、フレイル発生率が約1.8倍(厚労省・健口調査, 2023)との調査結果もあります。
➡︎ そのため、定期的な受診・口腔リハビリが重要です。


家族・地域で支える「口の健康」

  • 地域サロンや介護予防教室で“口の体操タイム”を導入
  • 家族が食事中に「よく噛んでるね」「美味しいね」と声かけ
  • 介護現場では「食事・口腔・栄養」の連携(いわゆる“食支援トライアングル”)を意識
福老所長
福老所長

食べる喜びを守ることは、“生きる意欲”を守ることです。


今日のまとめ

  • 冬は乾燥で“口の機能低下”が進みやすい。
  • あいうえお体操」「水分補給」「歯科受診」で守ろう。
  • 歯の数より「使える口」が健康寿命を延ばす。

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次回予告

次回のテーマは、
👉 “通いの場”がもたらす予防効果 ― 社会参加の科学
を予定しています。
なぜ“人と会うだけで健康になる”のか、最新研究と実践例からお伝えします。

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