「足の指」が使えないと転倒が増える!?1日3分の“足指トレ”でふらつかない体をつくる

運動

 「何もないところでつまずきやすくなった」「靴の中で足が滑る感じがする」「段差が以前より怖く感じる」

 こうした変化を「歳のせい(筋力低下)」だけで片付けていませんか?

 介護予防の現場で見落とされやすいのが、足の指(足趾:そくし)の機能低下です。

 足の指がうまく使えないと、歩行バランスが崩れ、転倒リスクが高まることがわかっています。

結論:足の指は「センサー」と「ブレーキ」の役割がある

 足の指は「地面を捉える精密センサー」兼「姿勢を支えるブレーキ」です。

 足指の力が衰えると、踏ん張りがきかず、ふらつきやすくなります。

 しかし、足指は「1日3分の適切なトレーニング」「正しい靴選び」で、何歳からでも改善が期待できる部位です。

 今のうちに機能を回復させることで、将来の転倒・骨折リスクを抑え、自立した生活を守ることができます。


なぜ「足の指」が歩行に重要なのか

 歩行時、足の指は地面を蹴り出す最後の瞬間まで働き、重心をスムーズに前方へ移動させる役割を担っています。

 足指の機能が低下すると、次のような悪影響が生じます。

  • 歩幅の減少: 地面を強く蹴り出せず、歩幅が狭くなる。
  • すり足: つま先が上がりにくくなり、わずかな段差でつまずく。
  • 重心の不安定化: 立っている時の支える範囲が狭くなり、ふらつきやすくなる。
  • 踏ん張る力の低下: バランスを崩した際、指で地面を掴めずそのまま転倒する。

 研究によると、足趾(足の指)の筋力が高い高齢者ほど、バランス能力が高く歩行速度が速い傾向にあることが報告されています(地域在住高齢者における足趾把持力の年齢、性別および運動機能との関連)。

 また他の複数の研究でも、足趾筋力はバランス能力(片足立ち保持など)と密接に関連するという報告があります。


足指が弱っているサイン(セルフチェック)

 以下の項目に2つ以上当てはまる方は、足指の機能低下(浮き指や筋力不足)のサインです。

チェック項目理由と背景
靴下のつま先がよくズレる指で地面を掴めていない証拠です。
室内ですり足になりがち足指の蹴り出しが弱く、足首が上がっていません。
片足立ちでふらつく足指がセンサーとして機能していません。
足裏にタコ・魚の目ができやすい特定の場所に異常な圧力がかかっています。
つま先立ちが不安定足指を曲げる筋力が不足しています。

◆ 今日からできる「1日3分の足指トレ」

※転倒防止のため、まずは椅子に座った状態で行うことを推奨します。

① タオルたぐり寄せ(1分)

 床に置いたタオルを、足の指の力だけで手前にたぐり寄せます。

  • 狙い: 足の裏の筋肉(足底筋群)を鍛え、アーチを維持する。
  • 目安: 左右5〜10回ずつ。
  • コツ: かかとを床につけたまま、指を大きく広げてから握り込みます。

② 足指グーパー運動(1分)

 足の指を思い切り開き(パー)、強く握り込みます(グー)。

  • 狙い: 指を動かす神経を活性化し、バランスの精度を上げる。
  • 目安: 20回程度。
  • コツ: 「チョキ」ができるか挑戦するのも脳トレとして効果的です。

③ かかと上げ(1分)

 椅子や壁に手を添えて立ち、かかとをゆっくり上げ下げします。

  • 狙い: 足指・足裏・ふくらはぎを連動させ、蹴り出す力を強化。
  • 目安: 10〜15回。
  • コツ: 親指の付け根(母趾球)でしっかり地面を押す意識を持つと、より効果的です。

靴選びが「足指の寿命」を決める

 せっかくのトレーニングも、合わない靴を履いていては台無しです。

  1. ヒールカウンター(かかと)の硬さ: かかとが固定されないと、靴の中で足が滑り、指が変形しやすくなります。
  2. つま先のゆとり(捨て寸): 指が自由に動くよう、つま先に1〜1.5cm程度の余裕が必要です。
  3. 甲の固定: 紐やマジックテープで甲をしっかり締めることで、足指がリラックスして使えます。
  4. 室内履きの検討: 滑りやすい靴下は禁物です。滑り止め付きの靴下や、室内用のケアシューズを活用しましょう。

注意点(安全に続けるために)

 以下に該当する場合は、自己判断での運動を控え、医師や専門職に相談してください。

  • 糖尿病による足の感覚麻痺や傷がある場合(感染症リスク)。
  • 足に強い痛み、しびれ、または変色がある場合。
  • 外反母趾などの変形が著しく、運動で痛みが増す場合。
  • 最近、頻繁に転倒している場合(他の疾患の可能性)。

まとめ

 足の指は小さな部位ですが、自分の足で歩き続けるための「土台」です。

  • 足指が弱ると、「すり足・つまずき・ふらつき」が直結する。
  • 1日3分のタオルギャザー・グーパー運動・かかと上げで機能は回復できる。
  • 自分に合った靴を選び、足指が動く環境を整える。

 「最近、足元が頼りない」と感じた今が、介護予防のベストタイミングです。

 足指から、健康寿命を延ばしていきましょう。

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