【介護予防の柱その2】介護予防は「食事」で差がつく!フレイルを遠ざける食事術5選

フレイルとは【まずはこれを読んで】

 「最近、少し体が動きにくい」「食が細くなった」と感じることはありませんか?

 いつまでも元気に自立した生活を送るためには、日々の食事が最強の薬になります。

 介護が必要な状態やフレイルを予防するための最新の食事術を、科学的根拠を踏まえてまとめました。

結論:介護予防の食事は「体重+栄養+工夫」を意識する

  1. 体重を減らさない(特に「いつの間にか痩せた」は要注意)
  2. たんぱく質は「毎食」とる(1食に25〜30gが目標)
  3. 「地中海食」のスタイルを意識する(魚・野菜・豆類・良い油)
  4. 骨のために「カルシウム+ビタミンD」をセットで
  5. 「食が細い」は工夫で対策する

「体重測定」を習慣にして変化に気づく

 まずは、体重が減っていることにいち早く気づく環境を整えましょう。

 体重計に乗る時間を決める

 朝起きてトイレに行った後など、決まった時間に測るのが最も正確です。

 「半年で2~3kgの意図しない体重減少」は、高齢者にとっては大きな変化です。

 この時間になったら体重計に乗る、決まったことをした後に体重計に乗る、などの習慣にするのが忘れずに体重管理できる秘訣です。

【「ベルトの穴」や「服のゆとり」を意識する】

 体重計に乗るのが面倒な場合は、ズボンがゆるくなっていないか、時計のベルトが回りやすくなっていないかをチェックするだけでも「痩せ」のサインに気づけます。

たんぱく質は「まとめ食い」より「小分け食い」

 高齢期は、筋肉を作る力が若年期よりも弱まる「同化抵抗性」という現象が起こります。

 そのため、1日分をまとめて摂るよりも、毎食コンスタントに摂る方が効率よく筋肉を維持できます。

 国際的なガイドライン(PROT-AGE等)では、高齢者の筋肉合成には1食あたり25〜30gのたんぱく質が推奨されています。

 また、日本の食事摂取基準(2025年版)でも、サルコペニアやフレイル予防には毎日体重1kgあたり1.2g以上の摂取が望ましいとされています。(例:体重60kg=毎日タンパク質72g以上)

 つまり、皆さんが思っているよりも多くのタンパク質を毎日摂取することが必要になります。

1食の目安(たんぱく質 25〜30g)の作り方

 「主菜(メインのおかず)を手のひら1枚分」と覚えるのが目安です。

 1つのおかずで足りない時は、“ダブル主菜”がおすすめです。

おすすめの組み合わせたんぱく質量(目安)
焼き魚1切れ + 納豆1パック約 20〜25g
卵2個 + ヨーグルト1個約 20〜23g
鶏肉(100g) + 豆腐(1/3丁)約 25〜30g

脳と体に効く「日本版・地中海食」のススメ

 皆さん、「地中海食」をご存知でしょうか?

 野菜、果物、魚、オリーブオイルを中心とした「地中海食」は、全身の炎症を抑え、認知症やフレイルのリスクを下げるという研究データが豊富にあります。

 これを日本の食卓に取り入れやすくアレンジすると、一歩先の介護予防食をすることができます。

地中海食を取り入れるには

  • 主食: 白米に「もち麦」や「雑穀」を混ぜる(食物繊維アップ)。
  • 主菜: お肉も良いですが、魚の回数を増やしましょう(缶詰でもOK!)。
  • 副菜: 野菜・きのこ・海藻・豆類を1日2回は食卓に。
  • 脂質: 揚げ物を少し控え、サラダや納豆にオリーブ油やえごま油をひと回し。

骨折を防ぐ!「カルシウム+ビタミンD」

 骨を強くするには、材料となる「カルシウム」と、その吸収を助ける「ビタミンD」を一緒に摂ることが不可欠です。

 ビタミンD単独の摂取よりも、カルシウムと併用することで、特に不足リスクのある高齢者の骨折リスクを低下させることが報告されています(Cochrane Review, 2014)。

  • カルシウムが多いもの: 牛乳、ヨーグルト、チーズ、小魚、豆腐。
  • ビタミンDが多いもの: 鮭、サバ、卵、きのこ類。

 ビタミンDは日光を浴びることで体内でも作られるため、毎日散歩(外出する)し、日光を浴びるよう習慣にしましょう。


「食が細くなった」時の乗り切り方

Q1:「1日3食も食べられない・・・」

 1日3食にこだわる必要はありません。一度にたくさん食べられないなら、10時や15時を「栄養補給の時間」に。ヨーグルトやチーズ、豆乳、プロテイン飲料などを活用しましょう。

Q2:「固いものが食べられない・・・」

 固い食物が噛みにくい時は調理の工夫をしましょう。お肉はひき肉に、野菜はとろみをつけるなど、無理に硬いものを食べず、食べやすい形態で栄養を優先してください。

Q3:「食が細くなったサインは?」

 体重測定を習慣にしてみましょう。「何もしていないのに体重が減った」のは、脂肪ではなく栄養不足により筋肉が減っているサインかもしれません。


大切な注意点

 持病(腎臓病、心不全、糖尿病など)がある方は、たんぱく質や塩分の制限が必要な場合があります。

 自己判断で極端に食事を変える前に、必ずかかりつけ医や管理栄養士に「筋肉を落とさない食事をしたい」と相談してください。


まとめ

 介護予防のための食事術は、ご自身の持病に気をつけた上で、以下の3点が重要です。

  • 「筋肉を減らさない」食べ方が最優先
  • 「地中海食の和風アレンジ」で健康寿命を延ばす
  • 「カルシウム+ビタミンD」で骨を強くする

 一言でいうと、「しっかり食べて体重を維持し、毎食のタンパク質と魚・野菜中心の食生活で、動ける体と脳を守る」ということです。

 今日からいざ実践!

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