「家の中で転びそうになることが増えた」「家にいても気分が沈みやすい」──
そんなサインが出ていませんか?
実は、住環境の質は身体だけでなく、心の健康にも深く関わっています。
今日は、“安全”と“刺激”のバランスをとる住まいづくりが、どのように介護予防に貢献するのかを見ていきましょう。
1. 家の中が「フレイルの温床」になることも
転倒・閉じこもり・活動量の低下──これらは多くの場合、家庭内の環境に原因があります。
東京都健康長寿医療センターの調査(2023年)によると、65歳以上の転倒事故の約7割は自宅内で発生しており、特に
- 段差
- 散らかった通路
- 暗い照明
が主な原因です。
また、外出機会が減ることで身体活動量も減り、心の張りも失われやすくなります。

「安全すぎるけれど退屈な家」は、逆に健康を静かに蝕むリスクがあるのです。
2. 「安全」だけでは足りない──刺激のある住まいが元気をつくる
介護予防の観点で重要なのは、安全性と適度な刺激の両立。
転倒を防ぐ環境は大切ですが、あまりに何もしなくて済む設計では、筋力や判断力が衰えます。
例えば:
- 台所までの数歩を歩く
- 洗濯物を干す
- 掃除機をかける
こうした「軽い家事動作」が、日常の中での“自然なリハビリ”になります。
家事活動や日常生活動作(ADL)が高齢者の身体機能維持に貢献することは、多くの研究で示されています。
例えば、国立長寿医療研究センターの調査でも、家事や軽い運動が筋力やバランス能力の維持に効果的とされています。
3. 心を明るくする「居場所のデザイン」
身体だけでなく、心の健康にとっても環境は重要です。
窓から光が入る場所、植物が見える位置、家族や近所とつながれる空間──
こうした“居場所の質”が、うつや認知機能の低下を防ぎます。
🪴 具体的な工夫例
- 窓際に椅子を置く:自然光が体内時計を整え、睡眠の質を改善
- 観葉植物を飾る:心拍数とストレスホルモンを低下させる効果あり(筑波大学・2021年)
- 会話しやすいダイニング配置:コミュニケーション機会が増え、社会的フレイル予防に
4. 今日からできる「介護予防の住まい習慣」
🪜① 段差チェックを習慣に
・玄関、廊下、浴室などの段差を確認
・必要に応じて簡易スロープや手すりを設置
転倒防止だけでなく、安心感が活動意欲を高めます。
💡② 明るさと色を味方にする
・昼は自然光、夜は暖色系の照明を活用
・段差やドア枠には色のコントラストをつける
視覚情報が増え、判断力がサポートされます。
🎨③ “季節を感じる”飾りつけを
春の花、夏のうちわ、秋の紅葉、冬の灯り──
季節の変化を家の中に取り入れることで、心の刺激と会話のきっかけが生まれます。
5. 「動ける家」は「生きた家」
便利さを追求しすぎた現代の住まいは、“動かない生活”を招きがち。
でも、少しの不便こそが、体と心を動かすスイッチになります。
💡 理想は、「安全で、少しだけ不便な家」。
体を使い、五感を使い、誰かと関われる住まいこそが、最強の介護予防の舞台です。
まとめ
家は「休む場所」から「健康を育てる場所」へ。
毎日の暮らしの中に、安全+刺激+つながりをデザインすることが、いつまでも自分らしく生きる力につながります。
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次回予告
次回は、「食べ方で変わる10年後」──フレイルを防ぐ“噛む力”と“たんぱく質”の黄金バランス
をテーマに、栄養面からの介護予防を詳しく解説します。


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