「家の中で転んでしまった」
──実は、要介護になる直接的な身体的きっかけの多くが転倒によるものだと知っていますか?
安全な家は、何よりの介護予防です。
今日は、家の環境を“リハビリする空間”に変える、具体的なポイントを紹介します。
家の中が“危険地帯”になる理由
高齢者の転倒の約8割は、家の中で起きています。
そして、転倒により大腿骨頸部骨折が生じるケースが多くみられます。
特に多いのが次の場所です:
- トイレや洗面所などの段差・滑りやすい床
- 夜間の暗い廊下
- ベッドや布団の立ち上がり時
- 電気コード・カーペットのめくれ
国立長寿医療研究センターなどの調査によると、大腿骨頸部骨折後の約35%が、半年以内に要介護認定を受けています。
つまり「家の環境を整えること=介護を防ぐ最前線」なのです。
転倒リスクを減らす“5つのゾーン別対策”
🚪玄関:出入りの安定をサポート
- 靴を履くときの手すりを設置
- スリッパは滑りにくい素材を選ぶ(できれば、裸足がベスト)
- 玄関マットは厚みを抑える(できれば、なしがベスト)
🚿浴室・トイレ:転倒最多エリア
- 床マットは吸着タイプでズレ防止
- 浴槽の出入り口にL字型手すり
- トイレには立ち上がり補助バーを設置
冬場は温度差(ヒートショック)も大敵。
入浴前に脱衣所を暖房で温めておくだけで、血圧変動を防げます。
🛏寝室:夜間転倒を防ぐ
- ベッドサイドに足元ライトを設置
- 枕元に“呼び出しベル”や“携帯電話”を置く
- 布団の場合は低めの座椅子や手すりを活用
💡廊下・階段:視覚で安全を確保
- 階段の段鼻(ふち)に黄色や白のラインテープ
- 廊下は自動点灯のセンサーライトで明るく
- 手すりは“連続して握れる形状”に
視覚の衰えが転倒につながるため、光の設計が大切です。
🍳台所・居間:動きながら安全を保つ
- よく使う物は「腰の高さ」に収納
- イスやテーブルの脚に滑り止めゴムを装着
- 電気コードや敷物は“つまずき防止”を意識 → 躓かない場所にまとめておく!
家の中を「少し動いて届く配置」にすることで、日常動作そのものが運動になります。
家が“運動施設”になる工夫
介護予防の専門家の間では、「生活の中に運動を溶け込ませる」ことが重要とされています。
たとえば──(安全に配慮した上で)
- トイレまでの移動を「歩行トレーニング」と捉える
- 台所での立ち作業を「下肢筋トレ」とみなす
- 玄関で靴を履く動作を「片脚バランス訓練」と考える
こうした“生活リハビリ視点”で環境を見直すと、家の中が介護予防のジムに早変わりします。
“安全+使いやすさ”が続ける秘訣
手すりをつけても「使いにくい」「邪魔」と感じると、結局使わなくなります。
そこで重要なのが、自分の動線に合わせた設計を意識しましょう。
地域包括支援センターや福祉住環境コーディネーターに相談すると、補助金制度も活用できます。
まとめ
介護予防は、運動や食事だけではありません。
「家の整え方」も立派な予防行動です。
転ばない家は、安心して暮らせる未来の基盤です。
今日から少しずつ、自分の“生活空間のリハビリ”を始めましょう。
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次回予告
次回は、「食べ方で変わる健康寿命」──“ゆっくり・よく噛む”がもたらす意外な効果をテーマに、食事のスピードと介護予防の深い関係を紹介します。


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