「栄養」と「フレイル」──“やせすぎ”が介護を招く!

食事

「健康のために少食を心がけている」「太らないように注意している」──

そんな言葉をたまに耳にします。

でも、高齢期に入ると“やせすぎ”はむしろフレイル(虚弱)の入り口になることをご存じですか?

今日は、栄養状態とフレイルの関係、そして食事でできる介護予防の工夫を紹介します。


フレイルとは「健康と要介護の中間状態」

フレイルとは、健康と要介護の中間にある状態を指します。

筋肉・体力・栄養・社会参加などが少しずつ低下し、気づかないうちに生活の自立度が下がっていく状態です。

主なサインは以下の通りです。

  • 体重減少(半年で2〜3kg以上)
  • 筋力低下(握力の低下)
  • 疲れやすさ・活動量の減少
  • 歩く速度が遅くなる

これらのうち3つ以上が当てはまると“フレイル”と判断されることもあります(日本老年医学会の基準)。


「やせすぎ」が危険な理由

高齢者にとって、BMI(体格指数)20未満は要注意です。

研究によると、やせている人は筋肉量が少なく、転倒や骨折、感染症のリスクが高いことがわかっています。

東京大学の研究(2021年)では、75歳以上の高齢者のうち「やせ型(BMI18.5未満)」の人は、3年以内に要介護になるリスクが約1.9倍に増えるという報告もあります。

「食べない」ことは、長生きではなく“弱るスピードを速める”ことにつながるのです。


栄養の鍵は「たんぱく質+エネルギー」

筋肉や免疫を保つには、カロリーだけでなく質の良いたんぱく質が欠かせません。

しかし、年齢とともに食欲が落ち、自然と摂取量が減ってしまいます。

🍳 1日に必要なたんぱく質量

  • 男性(65歳以上):60g前後
  • 女性(65歳以上):50g前後
    (例:卵1個6g、納豆1パック8g、鶏もも肉100gで20g前後)

たんぱく質を“少しずつ・こまめに”摂るのがポイントです。

1日3回の食事+間食で分けて摂ると吸収率が上がります。


今日からできる食事の工夫

🥣 「主菜を欠かさない」

魚・肉・卵・大豆製品1食に1品入れる習慣を。

「ご飯+味噌汁+主菜1品」だけでも十分バランスが取れます。

🥛 「間食を“栄養補給”に変える」

お菓子ではなく、ヨーグルト・チーズ・豆乳・ゆで卵などの“たんぱく間食”を。

特に午後や夕食後の摂取は、筋肉の分解を防ぎます。

🍠 「ご飯やいも類でエネルギー補給」

「炭水化物=悪」ではありません。

主食をしっかり摂ることで、たんぱく質がエネルギーとして使われず、筋肉の材料として残るのです。


「食べる力」そのものを守る

噛む・飲み込む力が落ちると、十分な栄養摂取ができません。

そのため、オーラルフレイル対策(口の運動や舌の体操)も大切です。

💡 1日1回、食後に「口を大きく“あいうえお”」と動かすだけでも効果的です。

詳しいオーラルフレイル対策はコレ↓

冬にこそ気をつけたい「口の虚弱(オーラルフレイル)」― “噛む力”と“話す力”が、健康寿命を支える ―


まとめ

やせすぎは“健康志向”ではなく、フレイルのサインかもしれません。

食べることは生きることです。

毎日の食事で「筋肉・免疫・元気」を守り、介護を遠ざけましょう。

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次回予告

次回は、「歩幅」と健康寿命──“あと5cm”広げるだけで変わる未来をテーマに、歩行とフレイル予防の深い関係を解説します。

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